近年、フリーランスのシステムエンジニアやライターが増加したことで、公共施設の無料Wi-Fiを利用して仕事をしている姿を多く見かけるようになりました。公共機関のWi-Fiを利用すれば、無料でインターネットへ接続できるため大変便利であるかのように見えます。

しかし、無料で利用できるからといてそのサービスの安全性が確保されているわけではありません。実際に、公共性の高い無料Wi-Fiは、サイバー犯罪の発生率が高く危険視されています。今回は、無料Wi-Fiは危険であるのか、安全に使用するためにはどうすれば良いのか、具体的なポイントについて解説します。

無料Wi-Fiでは、犯罪が発生しやすい

そもそも無料Wi-Fiとは、宿泊施設や公共機関などで利用できる公共性の高い公衆無線LANのことをいいます。そのため、無料Wi-Fiを利用すれば、インターネットと契約していなくても無料で情報検索やメールの送信、チャットなどができます。

しかし、無料Wi-Fiは、非常に犯罪の発生率が高く、悪質な行為に利用されがちです。パスワードなしで利用できるものが多く、通信が暗号化されていないため、安全性が高いとはいえません。そのため、無料のWi-Fi環境は、ブラックハッカーたちが、簡単にサイバー犯罪を実行に移せる状態となっています。

無料Wi-Fiを安全に利用するための5つのポイント

公共機関でどうしても無料Wi-Fiをつながなければいけない場合、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。ここでは、無料Wi-Fiを安全に利用するための5つのポイントについてご説明します。

ポイント1:HTTPSなどの暗号化通信であること

暗号化されていない通信環境では、ブラックハッカーにインターネット通信を覗き見されるリスクがともないます。そのため、無料Wi-Fiを利用する場合は、必ずHTTPSなどの暗号化通信であることを確認してください。

暗号化通信は、アドレスから確認できます。Google Chromeブラウザでは、暗号化されていない通信に対して“保護されていません”と表示されるようになっています。そして、通信が暗号化されていれば、“http”ではなく“https”となっているため、見分け方として覚えておきましょう。

ポイント2:安全性の高い無料Wi-Fiを利用する

無料Wi-Fiが利用できるからといって、提供元を確認せずにアクセスしてはいけません。なぜなら、サイバー犯罪を目的に公共性のある無料Wi-Fiが提供されていることがあるからです。

そのため、今からつなごうとしている無料Wi-Fiは、どのような会社が提供しているのかをしっかりと確認してください。悪意のある無料Wi-Fiへアクセスすると、情報漏洩やウイルス感染などのリスクを高めることになるので注意しましょう。

ポイント3:公共性のあるWi-Fi環境で、個人情報を登録しない

公共性のあるWi-Fi環境を利用する際、個人情報の登録を求められることがあります。その際、家の住所や携帯の電話番号、名前などの個人情報の入力を要求してくる場合は、危険なWi-Fi環境である可能性が高いため、利用してはいけません。

メールアドレスを登録する場合は捨てアドレス、名前についてもハンドルネームにしておきましょう。公共性の高い環境では、必ずしも正直に答える必要はありません。常に個人情報が漏洩する可能性があるということ意識しながら、手続きを進めることが大切です。

ポイント4:Wi-Fi事業者の会社情報をインターネットで調べる

無料のWi-Fi環境の利用にリスクがともなうことを知っているのであれば、自分がアクセスしようとしているWi-Fi事業者がどのような業者であるのか調べるべきです。インターネットでリサーチすると、「このWi-Fi事業者は、悪質性が高い。」「SNSのアカウント情報が書き換えられた。」などの具体的な口コミが記されていることがあります。

他のユーザーからの評価が低ければ、セキュリティ性に問題がある可能性が高いため、利用するべきではありません。そして、無料Wi-Fi接続時に、アプリ―ションのインストールや拡張機能の導入を要求される場合は、個人情報の漏洩や遠隔操作などのサイバー犯罪につながる可能性が高いため注意してください。

ポイント5:ログインが必要なページへアクセスしない

公共のWi-Fi環境があれば、インターネット通信を無料で利用できますが、取引先の企業サイトや自分自身のSNSのアカウント、社内ネットワークなど、ログインが必要なページへアクセスしてはいけません。Wi-Fi事業者が“セキュリティ性が高く、個人情報が漏洩することはない”とアピールしていても、公共性の高い環境である以上、常にセキュリティリスクがともないます。

そのため、IDやパスワードを利用して、会員サイトへアクセスするのだけは、絶対にやめておきましょう。SkypeやLineの電話でも、ログイン情報が盗まれ、友人や家族に悪質なメールが送信される可能性があるため注意してください。

無料Wi-Fiは、あくまでも簡単な情報検索を目的に提供されています。仕事や家族への連絡を目的に提供されているわけではないため、どのような用途にも利用できるという意識は、持たないようにしましょう。

最も有効なのは、VPNを利用すること

弊社には、「無料Wi-Fiに安全に利用したいのですが、どうすればいいですか?」というご相談が数多く寄せられます。そのため、相談者に対して、VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用することを推奨しています。

VPNを利用すれば、Wi-Fi利用時の通信内容が暗号化されるため、ブラックハッカーに覗き見されることがありません。近年では、セキュリティ会社がアプリ型のVPNサービスの提供を開始しているため、導入を検討してみてください。

VPN環境なら職場や自宅へのアクセスがすべて暗号化されるため、サイバー犯罪のリスクを格段に抑えることができます。

無料Wi-Fi環境で生じる被害内容

公共性のある無料Wi-Fi環境では、数多くのサイバー犯罪が発生しています。現在、主に2つのリスクがWi-Fi環境利用者に対する被害として知られています。

  • なりすましによる被害
  • 盗聴による被害

暗号化されていないインターネット環境では、TwitterやFacebookなどのログイン情報などを簡単に入手できてしまいます。その結果、本人になりすまし、誤った情報発信をされてしまうことがあります。

他にも、無料Wi-Fiを利用して、インターネットショッピングをする方は、クレジットカード情報が簡単にばれてしまいます。どのようなサイトを利用したのか、どのような商品を購入したのかなど、あらゆる情報が盗聴可能であるため、被害に遭遇しないためにもインターネットの扱い方には注意が必要です。

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